囲い込み処分 国土交通省の法改正

お客様から依頼され物件を探して不動産会社に電話で問合せしていると、業者に対しては物件詳細教えてもらえない場合や、担当者が不在と言われ一向に相手にされない場合があります。

全部が全部ではないですが、自分たちで物件情報を独占する「囲い込み」をされているケースが多いです。

これは売買仲介だけでなく、賃貸仲介でも起こりえます。

不動産業界の悪しき習慣ともいわれたこの囲い込みですが2025年からこの「囲い込み」を処分対象にすると国土交通省が発表しました。

囲い込みの定義と今後どうなっていくかを考えご紹介いたします。

1:囲い込みとは何か どいった事例があるか

特定の不動産業者が物件情報を独占し、故意に物件を市場に流通させない行為をいいます。
他者からの問い合わせを「契約予定」など何かと理由をつけて断るのが主な手法です。
これをすることにより、売主(貸主)と買主(借主)の両方から仲介手数料を取れますので、手数料が2倍になります。

民法では本来、これだと双方代理になるので禁止ですが、宅建業法で認められています。

大手不動産でもこういったことはあり、中小業者や買主の選択を狭めてしまします
売主側にとっても機会損失になり売却までの期間が長期化、競争原理が働きにくくなり適正価格よりも低い金額で売却せざるを得なくなるリスクがあります。

囲い込みされていた場合には明らかに反響数が減りますので契約する不動産会社を変えるべきでしょう。
囲い込みされていなくて反響が少ない場合には、売り出し価格が相場より高いなど他のケースが考えられますので、契約している不動産会社に相談されるのが良いでしょう。

2:省令改正の内容 処分は?

今回の省令改正は囲い込みにより不透明になっていた取引の公正性を守るのが狙いです。
具体的な行為としては他の業者への情報開示の拒否や、特定の業者だけに情報を開示すること、業者間サイトの販売状況の登録の義務化などがあります。

罰則に関しては、軽微な違反の場合には行政から業務を改善するように指導される指示処分が適用されるかと思います
この指示処分に違反した場合は業務停止処分という厳しい処分になるため、業界全体のコンプライアンス意識を高める狙いです。

その他、悪質な場合や繰り返しの違反だとすぐに業務停止処分になる事も予想されます。

3:今後の見通し どう変わっていくか

囲い込みについて今回のように国土交通省の法改正や不動産指定流通機構(レインズ)でも機能改修も行われ罰則の強化は進んでおりますが、全ての実態を把握することは難しく、根本的な解決にはならないと考えます。

囲い込みされないためにも、不動産の売却・賃貸にあたっては積極的に情報公開し納得できる価格で成約を実現する、信頼できる不動産会社に仲介を託すことが重要です。