投資対象となる物件を比較するときに、指針として「利回り」が活用されます。
ネット等では5~10%ぐらいが目安と書かれてることが多いですが、エリアや物件の種類によって大きく変わります。
また、不動産市場やマイソクといわれる物件資料に記載されてる利回りは基本的にコストを度外視した「表面利回り」で記載されています。
この利回りがどのような要素から成り立っているか、高いか低いかの判断基準を持っていることは不動産投資において優位なりますが、注意点もあります。
今回は物件を選ぶ上で大きな指標となる「利回り」について見ていきます。
「利回り」は投資物件によって得られる収益を計算するための言葉として使います。
一言で利回りといいますが、「表面利回り」と「実質利回り」に分別できます。
表面利回りは、年間の家賃収入を物件価格で割った割合です。
簡単に言うと、一年間の価格に対する回収率をいうことになります。
実質利回りは表面利回りと異なり、物件購入にかかる費用と運用に必要な経費も含めた利回りです。
年間支出も含めたものになりますので実際の運用に近い利回りとなります。
不動産の広告やマイソクに記載されているものや市場で使われる多くの基準は表面利回りです。
そのためこの記事での利回りは主に表面利回りとして扱います。
東京都心に立地する不動産は地方に比べると利回りが低く、物件にもよりますが表面利回りで4~5%程度です。都心ではこれぐらいの利回りがあれば売却も選択肢の一つとなります。
地方では同じような物件でも表面利回り8~10%になったりするので比較するとと利回りは低くなりますが、それだけ都心の物件のほうが資産価値が高くて物件価格も上がっているということです。
入居希望者も多く、賃料が下落するリスクも低いと考えられます。
都心の相場は上昇傾向ですので賃料の値上がりも期待でき、出口戦略まで考えた場合、都心の物件のほうが流動性もあり売却もしやすいです。
全体的に5~10%が利回りの目安と言われることが多いですが、利回りは物件の条件次第で大きく差が出ます。
その要因となるものの主な要素をご紹介します。
・エリア 駅からの距離
不動産投資は立地がすべてともいわれることもあり、エリアと駅からの距離は重要です。
都心では特に、主な移動手段が電車になりますので賃貸を探す人にとって最寄駅から近いということは必須だったりします。大体10分圏内が一つの目安です。
最寄りが主要ターミナル駅だと通勤・通学が便利になるため入居者も集まりやすくアピールポイントとなります。
そのほか治安の良し悪しや近隣の騒音、生活施設などもアピールポイントなり、価格・利回りに影響します。
・中古か新築か
表面利回りは年間の家賃収入から物件の価格を割って計算していますので、価格の差がある新築と中古物件ではシンプルに物件の利回りに影響されます。
そのため、価格の高い新築物件は利回りが低くなり、価格がある程度落ち着いている中古物件は利回りが高くなります。
ただ、新築物件は利回りが低いといっても賃貸需要が高く相場より家賃を高めにしても入居者が見つかりやすく、新しいため修繕費もしばらくかからず修繕関係の費用は安くすむので実質の利回りを考えた場合大きなプラス要素です。
中古物件は価格の安さが利点で利回りは高くなりやすいですが、築年数によっては新築ほどの家賃が取れず、修繕費も多くかかります。
ですが、中古物件でも立地によっては新築と同じくらい人気があり家賃がほとんど下がらないどころか、相場や物価の上昇具合によっては賃料を上げられる可能性もあります。
・木造かRC造(鉄筋コンクリート造)か
木造建築物は建築費などのコストがRC造に比べ安価になるため価格も抑えることができ、利回りを高く設定できます。
逆にRC造は耐用年数が高く建築資材や建築費、修繕費などのコストも多くかかります。
そのコストの分価格に上乗せされるので利回りに影響し、利回りが低くなりがちです。
ですが、入居者の目線で考えた場合は災害リスクなども考慮すると頑丈なRC造の人気は高いです。
ゆえに空室リスクも木造より低くなるというメリットがあります。
利回りの高い物件は魅力敵ですが、最適な選択とは限りません。
相応のリスクを抱えている場合がありますので利回りだけでなく、エリアや駅からの距離だったりと個別に見ていくことが大切です。
図面ではよさそうでも実際に中を見ると入居者を見つけるのに苦労しそうな物件もあったりします。
特に室内を見ることができないオーナーチェンジ物件などは高い利回りで売却しようと相場より高めの賃料でついている場合もあり、周辺相場との比較もし、適正価格かを考えることも重要です。
利回りの数値だけで判断せず、立地など入居者のニーズも考慮することが不動産投資を成功させる物件選びの要素となりますので、多角的な視点から判断することが重要です。