ハザードマップ 知っておきたい見方

日本はとにかく災害の多い国です。台風や豪雨、地震津波など相次ぐ大災害による被害を受け不動産取引の際に、水害ハザードマップの説明が2020年8月から義務化されました

水害リスクに関わる情報は不動産取引において契約締結を決める上で重要な要素でもあります。「川が近いか」、「地盤が強いか」など新しいエリアに住むときに多くの方が気にされると思います。

資産価値にも影響され賃貸借においても重要事項説明は必須なので、知っておきたいというオーナー様もいるのではないでしょうか。

ここでは3つの水害ハザードマップを見ていきます

水害ハザードマップの種類

水害ハザードマップとは、水害が発生した際の避難場所を地図上に示したマップです。

・洪水ハザードマップ
・内水ハザードマップ
・高潮ハザードマップ

の3種類があります。それぞれどの程度の被害が想定されているかによって地図が色分けされているため、調べたいエリアでのリスク判断がしやすくなっています。

洪水ハザードマップ

洪水とは大雨などで河川の水があふれてしまう水害のことです。大雨などが原因で堤防が決壊してしまった場合に、どのくらいの範囲まで浸水するのかと、その深さを知ることができます。災害時の避難場所・避難経路も記されています。

・内水ハザードマップ
内水とは、大雨の影響で排水が雨量に追いつかず下水管などからあふれる出る水害のことです。
河川からあふれ出る洪水と違い、下水管などに溜まった水が容量オーバーであふれることで起こります。
標高の低い地域でゲリラ豪雨や局所的な大雨が発生すると、内水が発生する確率が高くなります。

内水ハザードマップを見ることで、被害に巻き込まれやすい場所を避け、適切な避難場所への移動が可能になります。

・高潮ハザードマップ
高潮とは、台風などの強い低気圧によって海面の水位が上昇する水害のことです。
水位の上がった海面が陸地に浸水することで、住宅や人に被害をあたえてしまいます。
津波と原因は似ていますが、海面の上昇の仕方が違うので、別の水害であることを理解して置きましょう。

高潮ハザードマップは沿岸の高潮の影響を受けやすい地域にのみ公表されているのが一般的です。
内陸の地域では高潮ハザードマップを見ることはほとんどありません。

水害ハザードマップが賃貸経営にどう役立つか?

・購入物件を選ぶのに役立つ
購入物件を選ぶ際には、より災害リスクが低い立地にある物件を選びたいものです。
水害ハザードマップを利用することで被害の受けにくい場所を選べるので、物件を検討する際の指標の一つになります。

・入居者に安全な情報を紹介できる
水害ハザードマップについて説明しておけば、万が一水害に巻き込まれても、入居者は安全に避難できます。

・賃貸物件の防災対策に役立つ
賃貸物件の立地が水害の被害を受けそうな場合は、前もって水害に備えて防災対策をしておきましょう。
対策として、物件周りに防水壁を作る、外壁を耐水化する、などがあげられます。

所有する物件が災害にあった場合、建物の修繕責任は原則オーナー様にあります。
それを避けるためにも前もって保険に入っておくのもおすすめです。

水害ハザードマップの確認方法

それぞれの水害ハザードマップは、国都交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」に「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」があるので、そこから確認できるのと、各市町村のホームページでも確認できます。

まとめ

洪水・内水・高潮の水害リスクや避難情報をチェックできる水害ハザードマップは、賃貸契約において必ず伝えなければいけない情報のひとつです。

水害に対する正しい知識を持っておけば、いざというときの防災や減災に役立てられます。
賃貸経営にも活用できる水害ハザードマップは定期的に情報が更新されるので是非チェックしておきましょう。