みなさんは【リースバック】という取引方法を耳にしたことがあるでしょうか？
簡単に言うと「自宅に住み続けながら売却もできる」方法で、引っ越しをしなくても、自宅を売却してまとまった資金を手にできるということで、近年注目を集めています。
とても魅力的なシステムのように見えますが、メリットだけでなくデメリットも知ったうえで検討しなくては、かえって損をしてしまう可能性もあります。
今回はそんな【リースバック】がどのようなものなのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかをわかりやすく解説します。
なお、リースバックに関連して、老後の資金調達方法として【リバースモーゲージ】という方法もあり、以前当社のブログでご紹介しています。関心のある方はこちらも合わせてご覧ください。
【リースバック】は、自宅を売却して（Sell）、仮戻す（Leaseback）ことから、正式には【セルアンドリースバック】と呼びます。
自宅を不動産会社に売却するのと同時に賃貸借契約を締結し、売却後は不動産会社に対して家賃を払いながら住み続けられるという方法です。
リースバックの利用には年齢制限がないため、老後資金を確保するために利用する高齢者の方も多くいらっしゃいます。
リースバックを利用するか決める前に、どのようなメリットとデメリットがあるかを知っておきましょう。
メリット
メリットは以下の8点があげられます
①まとまったお金を調達でき現金化が早い
②自宅に住み続けられる
③周りに売却したことがバレない
④売却金の使用用途に制限がない
⑤将来、買戻しが可能（特約等を付けてもらう必要あり）
⑥固定資産税・管理費・修繕積立金の負担がなくなる
⑦引っ越し費用や保証人が不要
⑧年齢制限がない
リースバックを利用される方の多くは①②をメリットと感じています。
つまり【自宅には住み続けたいけどまとまったお金を手に入れたい】という理由です。
また現金化が早いというのもリースバックの大きな特徴です。
通常不動産会社に仲介を依頼して売却する場合、売却完了まで半年～1年ほどかかると言われています。
リースバックでは不動産会社が直接物件を買い取るため、長くても1ヶ月程度で売却金が手に入ります。
デメリット
次にリースバックのデメリットとして、下記6つのポイントを押さえておきましょう。
①売却金額が相場より低い（7～8割程度）
②住宅ローン残債の返済状況によっては買い取ってもらえない場合がある
③家賃が高い
④将来家賃が上がる可能性がある
⑤立ち退きを要求されるリスクがある
⑥買い戻し時の価格が高い
上記をご覧になって、想像していたよりデメリットが大きいと感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
どうしても自宅に住み続けたい場合は、リバースモーゲージを利用すれば自宅を担保にお金を借りられますし、現金化を急いでいないのであれば、通常の方法で売却したほうが多くの資金を手元に残せます。
またリースバックは賃貸借契約の契約期間が満了になったタイミングで、家賃が上がったり立ち退きを余儀なくされるケースも少なくありません。
これはリースバックで締結する契約が「定期賃貸借契約」という、更新のない契約形態であることがほとんどだからです。
こうしたデメリットをしっかりと理解せずにリースバックを利用した結果、思いがけないトラブルになるケースも多く見られるため、慎重に検討することをおすすめします。
リースバックとリバーズモーゲージを比較した際、自分がどちらを利用したらいいかわからないという方も少なくありません。
結論として、リースバックは「まとまった現金が必要な方」
リバースモーゲージは「まとまった現金は必要ないが老後資金に不安がある方」
に向いていると言えます。
リースバックやリバースモーゲージは「自宅に住み続けたい方」であれば、そのメリットを十分に実感できます。
逆に自宅に住み続けることに固執しておらず、急いで資金調達をする必要がない場合は、リースバックやリバースモーゲージ以外の方法を検討することをおすすめします。
リースバックも使い方次第ではメリットがありますが、同時にデメリットもあるということは十分に理解しておく必要があります。
リースバックを利用するかどうか、ほかにどのような選択肢があるのかについては、不動産売買やリースバックに精通したプロに相談してみるといいでしょう。
リオ・トラストではリースバックをはじめとした、不動産売買や資金調達についてのご相談もうけたまわっております。
もっと詳しく知りたい方はぜひ一度お問い合わせください。