先般、1棟アパートのオーナーチェンジを実施し、入居者が退去した際に発生した事例において、「言った・言わない」の水掛け論が発生しました。
事例の共有と共に、今後の当社対策について共有させていただきます。
【事例①】
新築物件でオーナーチェンジに伴い管理会社を当社に変更し、賃貸借契約書や申込書等、引渡し時の資料・写真とともに入居時の現況届を前管理会社より引継ぎを実施しました。
その後、解約通知を受領し立会い当日に入居者より「入居して直ぐに建物に不具合があり管理会社に連絡済み。その際に退去時に直すのでそのままで良いと言われた」と主張。
前管理会社に確認するも、「言った・言わない」の水掛け論に発展しました。
【事例②】
こちらは自社管理→サブリース→前管理会社→当社へと変遷してきた物件で、オーナーチェンジに伴い管理会社を当者に変更し、賃貸借契約書・申込書等とともに入居時の現況届を前管理会社より引継ぎを実施しました。
その後、サブリース契約時に入居された方が退去時に、「入居時に、床・クロスが補修されていない為、動画で担当者へ送信している」と主張。
サブリース会社とその前の自社管理に確認するも、担当者の退職等で特定に至らず。
事例①においては、入居者に対し破損等の不具合は管理会社に連絡されていれば施工会社が対処するはずということもあり、現況届も未提出だったため当社からは入居者負担となる旨を説明。なんとも後味の悪い解約清算処理となりました。
事例②においては、もはや何が真実なのか分からない状態と共に、立会い以降は入居者との連絡も途切れるなど確定情報を伝えることできず、入居者の申出内容に沿って解約清算処理を行いました。
物件の破損・汚損の立証は貸主側が行うものなので、入居時の現況の把握方法について検討が必要となりました。
そこで当社ではオーナーチェンジ物件の管理を請け負う際に以下のルールを設けることにしました。
【ルール】
① 引継ぎ資料に「入居時の現況届」の有無確認
② 現況届が無い場合、管理会社変更通知の際に再確認用の「入居時の現況届」当社から入居者へ送付
③ 前管理会社から入居前の原状回復内容を取得
④ 貸主に現況の引継ぎ内容を共有
⑤ 退去立会時に、立会業者へ入居時の現況届を提出し情報を共有
「入居時の現況届」が未受領の場合で入居者から主張があったとしても「入居時とオーナーチェンジ時の2度にわたり未報告」のため入居時に破損等なかったものとして精算を実施します。
・運用フロー図
当社管理物件の場合、入居前に「入居前点検の実施」と「現況確認(撮影)」を実施しております。
また、賃貸借契約に関しては24時間のコールセンターを設けております。
その受電履歴もデータで記録してあり「入居時不具合」で絞り込み検索ができますので、立会業者に共有が可能です。
退去立会時に立会業者と入居者ともに確定情報を共有、「退去時点検報告書」に入居者より署名を頂く事でスムーズな手続きを実施いたします。