当社が管理する物件において粗大ゴミが不法に投棄されてしまいました。
不法投棄の撤去までの手順をご紹介するとともに、
今回、港区が画期的な取り組みを始めましたので、皆様にも共有させて頂きます。
以前(2022.10月)にリオ通信【管理敷地内での違法駐輪に困っていませんか?】でも配信させて頂きましたが、管理敷地内に長期間放置されている自転車や粗大ゴミは管理権に基づいて、所有者・管理者が処分する事が出来ます。
ただし、処分に掛かる費用は所有者様のご負担となり、金銭的負担が少なからず生じます。
今回港区では、令和5年4月1日から、「民有地の不法投棄物回収事業を開始します!」
港区HPより:https://www.city.minato.tokyo.jp/kankyouseisaku/fuhotoki_kaisyu.html
として、港区が不法投棄物を回収する事業をスタートさせました。
●対象場所
自らが所有、又は管理する土地であること
●対象要件
本事業の同意事項に同意できること
現地確認に立ち会えること
警告シールを貼付し、回収する旨を警告すること
再発防止策を行うこと
●再発防止策の支援として
・センサーライトの貸与
・防犯カメラの貸与
・不法投棄対策シールの貸与
を実施しています。
リオトラストで、粗大ごみの不法投棄対応を行った事例について詳しく解説していきます。
【今回の流れについて】
① 実は不法投棄発覚後に、最寄りの交番へ相談を行いました。
(他の区のHPでも、「不法投棄された場合は、まずは警察署へ連絡をしてください。」と記載があります。)
以下、警察とのやり取りの流れです↓↓
私「近くで、建物管理を実施している者ですが、不法投棄があったのでご相談でお伺いしました。」
警察官「場所はどちらですか(地図を持ち出し、場所を確認します)」
警察官「私道ですね。公道では無いので通行の邪魔にはならないですね。」
私「どのように対応すればよいですか」
警察官「近隣より問合せがあった際に、管理会社の連絡先を伝えるよう申し送りを実施します。」
私「・・・。」
私道であった為か、何も対処してくれませんでした。
自転車のように、登録番号もなく「盗難品でないかの確認と所有者への連絡」といった形ではないので打つ手立て自体が無いのかもしれませんが。
② 各総合支所協働推進課協働推進係の窓口への相談
港区のホームページを見ると、新事業として不法投棄の解消取り組みを実施していました。
【組織】
総合支所協働推進課協働推進係 = 窓口 (申請の受付・精査)
港区環境リサイクル支援部環境課環境政策係 = 実行 (業者の手配)
となっているそうです。
2023年4月より開始した為、各部署に確認しながらの対応となりました。
● 私道部分の権利確認
● 共同所有の場合に、代表者のみか、全員の同意が必要か (代表者のみで可)
● 管理者の場合、委託を証明できるもの
➂ 警告シールの申請
「港区不法投棄物警告シール申請書」に記載し、窓口へ郵送しました。
【港区】
区の委託事業者が現地を確認の上、回収可能なものと判断された際には警告シールを渡してくれます。
今回、現地確認を実施して、不法投棄物を確認し申請は受理されました。
④現地立ち会い
区の委託事業者と共に、立ち会いで不法投棄物を確認します。
日付 = 区の委託事業者
管理者 = 当社にて記入
警告シール ※イメージ
今回、8月8日に立ち会いを実施し、期日は8月14日でしたので、1週間の警告期間となりました。
⑤警告期間
お盆休みの期間を挟んで、警告期間が経過し所有権が管理者に移管された形となります。
実は、期間中 警察署(相談した交番ではなく、本署)より以下内容のお電話を頂戴しました。
警察官「近隣の方より、不法投棄に関して警察に相談がありました。台風が迫っている中で、不法投棄物を処分・結束を実施してほしいとのことですが」
私 「本件、7月21日に最寄りの交番に相談を実施しています。現在区に相談し、不法投棄の解消に向けて警告シールを貼付しているので、8月14日まで所有権自体は当社になく、結束し破損等生じた場合に当社に責任が問われる関係から何も対処できません。 ~他、取り組み内容の説明」
私 「警察の権限で、結束・回収頂ければ、問題は解決するのですが。」
警察官「取り組みはわかりましたので、近隣の方に状況説明します。」
区に相談して良かったです。日付等の履歴も大切ですね。
⑥ 警告期間の経過
期間経過後、区・区の委託事業者から連絡はありません。(全て申請ベースなんですかね)
当社の定期清掃会社報告より、不法投棄物が現時点でもあることが確認できたため、撤去申請を実施しました。
【送付書類】
● 不法投棄のある場所の謄本
● 所有者の関係を示す管理委託契約書
● 申請書兼同意書
⑦立ち会いによる回収
改めて、不法投棄物の確認を実施するかと思いましたが、不要との事。
区の委託業者にて、回収日時を決定し、当社立会いでの回収とのことでした。
【不法投棄物】
今回の不法投棄物は、ジム器具。「ケーブルクロスマシン」*参考写真 重量が600㎏
今回の不法投棄物は、倒れてくる危険性は勿論、解消にあたっての費用が懸念されました(人員も4名は必要かと思います)。今回、港区が費用を負担し、不法投棄の解消にあたって頂けます。
【他22区の取り組み状況】
後日、港区を除く22区での不法投棄解消への取り組みを確認しました。
なんと港区以外は所有者負担となっており、当社一同、肝を冷やした次第です。
前回の放置自転車や不法投棄については、「迅速な対応」とともに「履歴管理」が非常に重要となると感じました。
また、複数の目(近隣/入居者/定期清掃業者)での監視と共に、その関係者様と良好な関係性を維持していく事が大切かと思います。
不法投棄で困っているオーナー様がいらしたら、ご相談・ご連絡ください。