みなさまが所有されている物件の借主の名義は、「個人」と「法人」のどちらですか?
「法人」に対して貸し出している場合、どのようなルートで契約に至ったかご存じでしょうか?
今回は、大手法人が社宅用の物件を探す際に利用する「社宅管理代行会社」について解説します。大手法人がどのような仕組みを利用して社宅を探しているのかを知ることで、「どうしたら所有する物件を大手法人に借りてもらえるか」を理解しましょう。
「社宅管理代行サービス」とは、借上社宅の新規契約・入退去などの手続きを法人に代わっておこなうサービスです。
従業員数があまり多くない企業の場合は、自社内で社宅の管理をおこなうことも可能です。しかし賃貸物件の入退去は、忙しい年末や新卒採用時にかさなることも多く、すべてを自社でおこなうには相当な労力が発生します。そのため借上社宅の数が多い法人、具体的には200戸を超える場合においては、自社で社宅管理をおこなうよりも外部委託したほうが費用対効果は高いと言われています。
社宅の管理の中でも特に時間的負担になるのが、社宅を借りる際の物件探しです。
一般的には顧客が不動産仲介会社に部屋探しを依頼し、提案された物件の中から条件に合うものを選び契約、という流れで入居します。
社宅管理代行会社を利用する場合は、顧客から部屋探しを依頼された社宅管理代行会社が、提携する仲介会社に依頼して条件に合った物件を提案してもらうという流れです。
具体的には下記のような構図で社宅を探し、契約締結後は社宅管理代行会社が更新・解約などの業務をおこなっています。
社宅管理代行会社が大手企業の「総務・人事」の代わりに、借上社宅の物件探しから契約締結・月次業務・更新・解約をおこないます。
上記をご覧いただくとわかるとおり社宅管理には多くの業務が発生するため、すべてを自社でおこなっていてはメインの業務を遂行できません。社宅管理代行会社を利用することで、企業はコアビジネスに集中できるというメリットがあります。
近年ではマイナンバーやインボイス制度の開始に伴い、社宅管理にも専門知識を要するようになりました。自社内での人員確保や担当者の引継ぎに課題を感じたことで、社宅の管理を代行会社にアウトソースする企業が増えてきているというのが実情です。
中でも新しい物件を契約する際の「契約内容の精査」は、社内で規定されている社宅の基準を満たしているか、多くのチェック項目に沿って確認しなければなりません。下記にその一例を記載しました。
チェック項目
☑ 社宅規定に合致しているかどうか(家賃等の上限)
☑ 解約時、1ヶ月前の告知か / 日割での計算か
☑ 償却費用の発生が無いか
☑ 賃料支払日は、前月末日か
☑ 入居者入替が可能か
☑ 会社謄本の提出が不要か
☑ 連帯保証人は不要か
☑ 短期違約金の削除が可能か
☑ 賃料改定は、「甲乙協議の上」文言追加可能か
☑ 24時間サポートの削除が可能か、個人負担に変更可能か
☑ 保証会社は不要か
☑ 適格請求書発行事業者(インボイス)登録の確認
通常の流れでは、契約書の雛形で上記のチェック項目を確認し、必要に応じて修正するか入居者の承諾を得て、借上社宅の契約締結を進めていきます。
チェック項目はご依頼いただく法人様によって異なるため、間違いがないように入念に精査する必要があります。こうした手順を追うことで、社内規定の平準化と、不公平感のない社宅運用が可能になるのです。
実際に社宅管理代行会社の利用を検討するにあたり、費用はどれくらいかかるのか、どれほどの効果が期待できるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。
社宅管理代行サービスの利用料金は管理戸数によっても変動しますが、1戸あたり月額1,000円(税別)程度が相場と言われています。
例えば平均2年半入居される社宅を200戸借り上げておられる法人様のアウトソース費用は、下記のようになります。
冒頭で「社宅管理代行サービスは200戸程度から費用対効果が高い」とお伝えしました。しかし実際のところは社宅が100戸を超えると自社での管理に苦労する企業が多くなるため、概ね100戸以上の社宅を借り上げている法人様に対して、社宅管理代行サービスの導入提案をするケースが多いと言えます。
大手法人に社宅として借り上げてもらえると、家賃滞納リスクが低いだけでなく、複数の部屋を同時に借り上げてもらえる可能性も多いというメリットがあります。それでは、所有する物件を大手法人に社宅として借りてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
前述のとおり、大手法人は社宅の借上げを社宅管理代行会社にアウトソースしています。そして借り上げる物件を探す際には、実際に入居する社員が自ら物件を探すのではなく、社宅管理代行会社が提携する不動産会社に探してもらうことを推奨しています。その理由としては、物件が社宅規定を満たしているかを精査する必要があるということ、そして社宅代行会社は提携仲介会社から得られる「顧客紹介料」や「加盟店手数料」を源泉にして運営しているということが挙げられます。
こうした状況をふまえると、提携仲介会社に物件を紹介してもらうには、AD=広告料を必ずつけることが求められます。
さらにオーナー様にご承知おきいただきたいのは、提携仲介会社から顧客への物件紹介後に、契約条件の変更を要望されるケースも考えられるということです。大手法人の場合、社宅として借り上げる物件の条件を細かく定めていることも多いため、物件によっては契約条件を変更して「社宅規定に合わせる」ことが求められます。
具体的には保証会社不要・短期解約違約金の免除・解約予告期間を1ヶ月に変更といった内容が多く、場合によっては礼金を1カ月プラスするケースもあります。
リオ・トラストは「社宅管理代行会社」としてだけでなく、「提携仲介会社」の立場からも営業活動をおこなっています。
「大手法人からの社宅需要の傾向」と「提携仲介会社のニーズ」を同時に把握することで、オーナー様所有の収益物件への客付けを、よりスムーズかつ確実におこなえるというのが当社の強みです。
そして上記2つのポジションを網羅していることで、日本全国の物件のご紹介が可能です。地方営業所の新規出店や人事異動の時期など、1都3県以外の遠方の物件のご紹介も承っております。
社宅の借上げにはさまざまな業務が発生するため、自社内ですべておこなうには多くの時間や労力がかかってしまいます。当社は物件のご紹介だけでなく、ご入居後の契約更新や月次請求・解約など社宅に関する業務をすべてサポートしております。ぜひお気軽にお問い合わせください。