最近気になったニュースで「救急車のサイレン音が進化した」という記事が取り上げられていました。
救急車は赤色灯のほかサイレンを鳴らして緊急走行することが義務付けられていますが、昨今では「不快」「サイレン音がうるさい」などのクレームがあり山口県下関市の消防局で新サイレンを導入、音量は変わらないものの低い音を重ね合わせることで不快感を和らげているということです。
賃貸住宅においても騒音や音漏れ対策とした、従来から「楽器演奏可」のニーズがある防音賃貸や防音室付き物件があります。
テレワークやユーチューバーが増えたことで駅から多少遠くても完成前から満室を迎えるほどだそうです。
最近ではもともと防音室がついている物件だけでなく、部屋の中におけるブース型の防音室も注目されています。
そこで当社の管理物件でもブース型防音室を導入できないか、現場にて見積りを実施しました。
防音室の費用やメリット、ニーズ等を賃貸物件の投資のご参考までに見て頂ければと思います。
騒音とはどの程度からの音のことをいうのかご存じでしょうか?
騒音の大きさの指標には「デシベル」という基準があります。
騒音に関わる環境基準として、環境基本法においてだいたい60デシベル以下が定められています。
防音室には「Dr等級」という遮音性能を表す指標があります。「Dr-35」のように表示され簡単に要約すると、外に漏れる音を何デシベル遮音することが出来るかを表します。
以下騒音の大きさを簡単にまとめた表になります。
例えば「Dr-35」の防音室でピアノの音「90~95デシベル」は90-35=55デシベルになり、外に漏れる音は普通の会話レベルまで下げることが出来ます。
「ブース型防音室」とはどのようなものかというと、イメージとしては今ある部屋の中にすっぽりと収まるような箱と思っていただければよいでしょう。
テレワークの普及やユーチューバー、プロゲーマーの動画配信が一般的になった現在、「防音環境」が注目されています。
動画配信している方だと自分が出す音が近所迷惑になったり、テレワークでの会議中サイレンなど急に周りから大きな音が入ってきてしまい慌てることもあると思います。
防音室であれば、
音漏れを気にする必要がないので、映画や音楽を大音量で楽しんだりすることが出来ます。
大きな音がなる楽器を演奏しても問題ありません。
使用用途によって、どのくらいの面積を求められているのか、きいてみました。
「管楽器・弦楽器用」として0.8~1.5帖、「グランドピアノ用」として3~4.3帖、
テレワークやユーチューバーには1.5~2帖ぐらいがニーズが高いとのことでした。
仕様によっても異なりますが、今回当社が取得した見積もりでは1.5帖で100万円程度となります。
また照明器具はブースについていることが多いのですが、エアコンがついていないため密閉された防音室は夏場は特に厳しいものになります。
そのため防音室に別途エアコン設置は必須となるでしょう。
業者に頼めば部屋のエアコンを防音室内に移設することもできますし、1台の室外機で2台のエアコンと接続できる「マルチエアコン」というのもあり、これならば部屋と防音室内両方でエアコンを使うことができます。
ブース型防音室を設置する際、部材を搬入するために部屋の高さが標準のもので2170mm以上は必要となります。
部屋に入れるまでのルートも確認しておく必要があり、高さや幅が合致しない場合は搬入自体ができない場合もあります。
区分マンションの場合、建物の管理規約で「楽器不可」になっているケースも多く、防音室を作っただけで「楽器可」とすることは難しいかもしれません。
管理組合へ掛け合ったり、楽器不可を明記したうえで、「テレワーク・YouTube等、ゲーム実況に対応した防音室」としてアピールする必要があるでしょう。
従来は音楽大学周辺等、狭いニーズのみでしたがYoutubeの市場拡大により地域を問わずに高い需要が発生しています。
特に動画配信する方は防音設備をふくめ配信環境をしっかり整えたいと思っている方も少なくありません。
共同住宅では生活音を気にされる方も多いと思いますので、防音設備のある物件を視野に今後の不動産投資を検討されてははいかがでしょうか?