2004年に消防法が改正されて火災報知器の設置が義務付けされました。その後順次法が整備され、2011年までには全国すべての住宅が対象になっていきました。
ですが、まだ火災報知器が設置されてない物件もあり、入居者様からバルサン炊こうとしたら火災報知器が見当たらないといった報告もあります。
設置しなくても罰則はありませんが、賃貸物件の場合、入居者様も不安になりますし大きなリスクにもなります。
今回は火災報知器がどういうものなのか、ない場合のリスクや設置義務についてご紹介します。
火災報知器は、火災が発生した際に熱や煙を感知し音声などで建物内の人へ知らせて逃げ遅れを防ぎます。
火災報知器には建物設備として設置され建物全体に火災の発生を知らせる自動火災報知設備と部屋ごとに取り付けて居住者に知らせる住宅用火災警報器があります。
アパートやマンションなどの共同住宅では床面積の合計が500㎡以上の場合に自動火災報知設備の設置義務があり、配線工事などが必要になります。
床面積の合計が500㎡未満の戸建て住宅・共同住宅では住宅用火災警報器の設置が義務付けられています。
ここでは賃貸物件に多い、住宅用火災警報器についてみていきます。
住宅用火災警報器自体の費用は1つ3000円程度とリーズナブルに購入できます。
電動ドライバーなどを使ってご自身で取り付けることも可能ですが、設置場所や位置など各自治体によってルールが異なりますので確認が必要です。
意外と手間がかかるのと、業者に依頼したとしてもそこまで高額にはならないので任せてしまっても良いでしょう。
自治体ごとに詳細は異なりますが、全国共通の基本的な設置場所は寝室と寝室がある階の階段です。
設置後はまず、正常に作動するかの確認です。製品によって点検方法は異なりますがひもを引いたり、ボタンを押したりで確認できます。
その後の点検義務はないのですが、いざというときのために年に一度は点検することをおススメします。
古くなるとセンサーが反応しなくなるので、10年を目安に交換しましょう。
火災警報器の交換目安は10年ですが、その前に電池がなくなっていることもあるので注意が必要です。
設置後の届出不要な自治体もありますが、東京都では火災警報器を設置してから15日以内に管轄小消防署に届け出が必要です。自治体ごとに確認しておきましょう。
火災警報器には設置義務はありますが、仮に設置していなかったとしても罰則はありません。
しかし、火災警報器を設置しないで住宅火災により死者がでた場合、オーナー様に責任が追及されることもあります。設置が義務化された要因として、建物火災による死亡原因の70%近くが火災に気づかずに逃げ遅れているという背景があります。
「設置していれば逃げ遅れることはなかった」と言われれば、実際に効果が出ていることもあり責任を問われることは十分にありえます。
また、保険会社の契約内容によっては火災保険が支払われない可能性があります。火災保険の適用外の項目に明確に記載がある場合、火災保険は支払われません。保険会社ごとにも判断が異なるので注意が必要です。
今回は住宅用火災警報器についてみていきました。
未だに「消防署の方から来ました」的な詐欺もあるようなので、その点においても火災警報器の点検・設置義務のことを知っておいたほうが良いでしょう。
火災警報器の設置には罰則がなく、手間と費用がかかるからといって対応しないと万が一の場合に大きなリスクとなります。
入居者様も無いと不審に思う方も少なくないので設置と点検を怠らないようにしましょう。