マンションを探す際、不動産市場には新築から中古、築浅、新耐震基準など、年代だけで見てもさまざまな条件の物件が並んでいます。
エリアと予算をある程度決めたうえで物件探しを始める方は多いですが、実際に探し始めると、
『フルリノベーション済み物件が良いのか』それとも『築古物件を購入して自分でフルリノベーションをした方が良いのか』という選択に直面することがあります。
ここでなかなか決断できずにいると、物件探しが迷宮入りしてしまうお客様も少なくありません。
実際にご相談いただいたお客様も、フルリノベーションされていない築古物件の方が価格が安いことから、自分でフルリノベーションすることも視野に入れ、さまざまな物件を比較検討されていました。
しかしこの状態では、検討事項が増えすぎてしまい、物件探しが長期化し、多大な労力を費やす結果となってしまいました。
情報があふれる今の時代では、不動産に限らず、調べればさまざまなことが可能だと分かります。
フルリノベーションを選択肢に入れること自体は一つの手段ではありますが、結果として本来避けられたはずの機会損失や精神的負担につながってしまうこともあります。
不動産の購入を検討されている多くのお客様が直面する課題だと思いますので、今回はどちらが適しているのかを比較しながら見ていきます。
フルリノベーション済み物件の最大の特徴は、購入後すぐに使用できる点にあります。
内装や設備が整っているため、完成後のイメージとのズレが少なく、安心して購入判断をしやすい傾向があります。
また、施工業者による2~3年の一定期間の保証が付帯しているケースも多く、購入後のトラブルに対する安心感もあります。
その反面、フルリノベーション費用や事業者側の利益がすでに価格に反映されているため、購入後に間取りや仕様を大きく変更することは現実的ではありません。
追加費用を考えると、大幅な改修を前提とした検討にはなりにくいのが実情です。
また、金融機関の評価は実際の築年数を重視する傾向が強く、フルリノベーションの内容が十分に加味されないケースも少なくありません。
そのため、借入を行う際にお客様のご属性が良好であっても物件評価が伸びず、金利が高くなったり、当初想定していた返済計画と乖離してしまう場合もあります。
とはいえ、安心感があり、「手間やリスクを抑えて安定したスタートを切りたい方」に向いている選択肢といえます。
築年数の経過した物件を購入し、フルリノベーションを行う最大の魅力は、自由度の高さにあります。
間取りや設備、内装デザインを一から検討できるため、ご自身の理想や戦略に沿った物件づくりが可能となります。
物件価格が比較的落ち着いているケースも多く、周辺相場と比較すると割安に感じられ、価格面での心理的負担が少なくなることもあります。
一方で、フルリノベーションには時間と労力がかかるだけでなく、想定外のコストが発生するリスクも伴います。
特に給排水管や電気設備、構造部分など、目に見えない部分の補修が必要となった場合、当初想定を超える費用がかかることも少なくありません。
そのため、築古物件のフルリノベーションを検討する場合には、不動産やフルリノベーションに関する十分な知識や経験があること、もしくは信頼できる専門家の継続的なサポート体制が整っていることが重要となります。
自分でフルリノベーションをする方が安いのでは、と考える方は多いですが、実際には事業者が行うフルリノベーションは、提携関係や継続的な発注によってコストが抑えられているケースが多く、一般の方が個別に手配するよりも効率的に施工されることもあります。
手間やリスクを踏まえると、建築やデザインを専門とされている方でない限り、物件供給が限られている場合を除いて、フルリノベーションに踏み切ることが採算的に適しているのかは慎重に判断する必要があります。
また、ここで改めて考えていただきたいのが、「なぜ物件を取得するのか」という本来の目的です。
現在の住環境への不満や不便さを解消し、できるだけ早く落ち着いた生活を送りたいという思いが出発点であるケースが大半です。
内見自体を楽しめる場合は別ですが、多くの方は、選択肢が増えすぎたり判断材料が複雑になったりすると決断が難しくなり、早くこの煩わしさから解放されたいと感じるものです。
物件選びに時間をかけすぎることで、好条件の物件を逃し、機会損失につながる可能性もあります。
理想を追い求めすぎるあまり決断できなくなる状態には注意が必要です。
総合的に考えますと、フルリノベーション済み物件を選択される方が、結果的に満足度が高くなる傾向があります。
実際にご相談いただいたお客様においても、暮らしのイメージのしやすさ、予算管理のしやすさ、リスクの低さ、アフターフォローの充実といった点から、リノベ物件を選択されたことは、安定した選択肢であったと感じております。
もちろん、物件ごとの良し悪しを見極めることは重要であり、その点については専門家の意見を参考に進めることが望ましいでしょう。
条件が整えば、築古物件をフルリノベーションすることで高い付加価値を生み出すことも可能です。
逆に言えば、将来的に売却を検討される際には、一定水準のリノベーションを施しておくことが、価格を大きく押し上げる要因とは言えないまでも、売却スピードの向上や他物件との差別化につながる可能性はあります。
極端な二択の事例ではありましたが、購入・売却の参考となれば幸いです。
個人的には、多少手直しが必要な物件を、配管も含めてフルリノベーションし、自分好みに仕上げることが上手な買い物の一つだと考えておりますが、ご自身の目的や状況に合わせて最適な選択をしていただければと思います。


