最新の為替レートについて(2023年12月時点)

 

海外からの移住者が増えている近年、為替レートの変動が、以前にも増して日本の不動産市場に影響を与えるようになりました。

特に最近は円安に関するニュースが続いており、外国人が多く住む地域で賃貸経営をしておられるオーナー様の関心を集めているのは、言うまでもありません。

今回は世界各国の為替レートを比較し、現在の日本における不動産市況について解説します。

1.為替レートの比較

まずはコロナ前である2019年1年、コロナ禍の2023年1月、そして最新2023年12月の為替レートを比較します。

コロナ前と比較るすと、2023年の為替レートではほとんどの通貨に対して、相変わらず円安の傾向が続いている状況です。

日本人が旅行に行ってお得感があるのは、ロシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンの4カ国といったところで、その他多くの通貨に対しては円が非常に弱いというのがおわかりいただけるかと思います。

アメリカドルで比較すると、2019年1月時点では1ドル109円程だったのが、2023年12月には145円程。日本人が海外旅行をした場合、2019年と比べて33%も割高ということになってしまいます。

スイスに至っては2019年1月時点で1フラン110円だったのが、2023年12月にはなんと165円になっています。つまり、もしスイスの方がフランを握りしめて日本に来た場合、4年前の値段の半額で日本国内の物品を購入できてしまうということです。

このような状況では、日本人の海外渡航へのモチベーションが上がらないのもうなずけます。外国の方にできるだけ多く日本に来てもらい、お金を使ってもらうほうが日本経済を回すことにつながるといった状況です。

2.日本国内の不動産取引に影響しそうな国

上記の為替レートの比較表の中で、特に日本国内の不動産取引に大きな影響を与えると考えられるのは、シンガポール・香港・アメリカ・台湾・カナダ・イギリス・中国です。

これらの国々は、コロナ前と比較して30%ほど安く、日本の製品・商品を購入できる状況であることが理由です。特に香港・台湾・中国の方々は、以前より不動産の購入意識が高い傾向にあり、現在の円安は日本の不動産の購入を後押ししていると言えます。

実際の不動産市場も非常に活発に動いているため、これから売却活動を始めるにあたっては、ぜひともターゲットにしたい層です。

3.今後注目したい国

今後取引が活発になりそうな国としては、インドネシア・マレーシア・インドが挙げられます。

これらの国は、近年日本での就職を希望する方が多い傾向にあるということが主な理由です。

特にインドはIT分野で優秀な人材が多く、働き口を求めて日本に移住してくる方が急速に増えてきています

レートを見ると2019年は1ルピー1.53円、2023年12月は1.74円と、多少円安の影響を受けています。しかし、円安が顕著なアメリカや中国と比較すると緩やかであることから、日本で支給された給与収入を自国インドに持ち帰っても、さほど「損をした」という感覚にはならないラインで推移しています。

就労を目的とした移住の影響は、特に賃貸市場で顕著に見られています。なかでも東京都の西葛飾エリアは、都内でも特にインド人が多く住む場所で、賃貸物件の供給が足りていない状況にまでなっているのです。

 

不動産取引時は為替レートも確認するのが吉

今回は為替レートと国内の不動産市場の関係をご紹介しました。

不動産売買も賃貸経営も、日本人だけでなく海外からの需要も知ったうえで戦略を練ることで、手残りや収益を最大化できる可能性が高まります。

リオトラストは海外の不動産会社とも多くお取引させていただいているため、海外の方からの不動産需要をリアルタイムでキャッチすることが可能です。

今後も海外と日本の不動産について発信してまいりますので、ぜひ参考にされてください。