保証会社引継ぎ、気を付けて!(JACCSの場合)

先日、サブリースの解除に伴って、家賃保証委託契約の引継ぎを実施しました。
引継ぎにあたり、当社で一般的と捉えていた内容がJACCSでは異なっていましたので、オーナー様へ共有させていただきます。※良い、悪いではなく「そのようなルール」とご理解いただければ幸いです。

1:保証会社とは? 当社従来の流れ

■保証会社とは、賃貸借契約時に、「借主と保証会社」が保証委託契約を締結することにより、入居者が家賃を滞納した場合に、大家さん(貸主)に代わって家賃を支払うことを保証する会社です。

家賃に限らず、更新料や短期違約金、原状回復費用も一定額まで保証します。
* リオ通信参照 https://rio-trust.jp/2024/01/15/02-4/

保証会社の引継ぎは、貸主や管理会社が変更となる場合もそのまま引き継ぎ可能な場合と新たに契約を結ばないといけない場合があります。

① 保証委託契約が引継ぎ不可
 管理会社が独自商品として提供している場合、引継ぎができない場合があります。
その際は、新貸主の負担で保証委託契約料を支払うことによる、新たに別の保証会社と契約が必要です。
※入居者審査~締結が必要&過去3ヶ月の家賃支払い履歴の確認が必要

② 保証委託契約が引継ぎ可能
 ・過去に新管理会社がその保証会社との提携契約を締結したことがある場合
「変更通知書(取引先様情報)」を提出し、保証会社承認後に変更開始月が決定

・新管理会社と保証会社が提携契約なかった場合
新たに提携契約を実施、保証会社承認後に新管理会社から変更通知を提出し変更開始月が決定

2:JACCSの場合

JACCSの導入時には、以下の3点について注意が必要です。
① 家主送金時に0.2%+550円を差し引いて送金

当社の主要な取引先の保証会社では、「入居者より決済手数料を取り、家主送金時には手数料は発生しない」運用が一般的という認識です。

JACCSの代理店ごとに扱いが変わるかもしれませんが、当社の場合では、初の取引で送金時に0.2%と550円を差し引いて送金との説明がありました。

② 移行手続きに3~4ヶ月程度必要

当社の大部分の保証会社について、切替のタイミングは、前月末~当月10日までに提出(保証会社によるので、適時確認が必要)で、翌月分より変更が可能です。

(例)2025年3月1日に切り替えが決定(当月10日までに提出・承認で変更可能な場合)2025年3月10日までに提出・承認=2025年4月分より変更

JACCSに関しては、口座振替の事務手続きに「ビジュアルリサーチ社」が介在する関係なのか、移行
期間が非常に長くなっております。
特に、売買契約時の精算については、通常より多くの期間での家賃精算が必要なため注意が必要です。
(売主側に3~4ヶ月入金が入るので、引き渡し時に清算が必要)

③ 移行期間中は、家賃保証の対象外

一番困惑したのが上記のルールです。移行期間中、システムより代位弁済の申請が必要ですが、新管理会社では、システムが未反映のため、移行期間中に代位弁済申請ができません。

また、移行期間中に更新料の未払いが発生した場合、前管理会社では請求していない費用のため、どこまで前管理会社の協力が得られるのか懸念が生じます。

実際に発生した例として、翌月より管理会社の変更の為、保証会社の変更連絡を実施したところ、入居者より退去連絡があり、家賃送金の停止が発生(前管理社により実施)、原状回復費用の未払いが発生しました。

その際、「現状回復費用の保証(代位弁済)はできない」との回答がありました。
保証会社としては、「新貸主とは、保証委託契約の締結を実施していない」との判断です。
(「入居者と保証会社」との保証委託契約のはずですが、新家主への承継が無いとの理屈です。)

移行期間が短ければ、そのリスクは低く見積もることが可能ですが、移行期間:3~4ヶ月なので高いリスクとなります。

3:当社対応&まとめ

当社では、同事例で保証会社JACCSの引継ぎが発生しましたが、①~③の内容を説明したうえで、新たな保証会社(初回保証料:1万円を貸主負担)にて審査~保証委託契約を実施しました。

新たな保証会社は、翌々月からの家賃送金・保証対応が可能となり、新旧の管理会社で翌月分のみ精算を行いました。

売買契約時、管理会社変更時には、保証会社の引継ぎ可否のみでなく移行期間やリスクをあらかじめ把握することが重要と改めて感じた事案でした。