先日、築約50年を経過した区分所有マンションの管理を新たにお預かりしました。
長期間空室であったことから、全面的なリノベーションを計画し、現地調査を実施したところ、水回りから赤水の発生が確認されました。
これを受け、内装改修と併せて「配管リフォーム」を行いました。今回はその事例をもとに、配管リフォームのポイントをご紹介します。
鋼管が使われ始めたのは昭和時代中期(1960年代~1970年代)で、主に水道用亜鉛メッキ鋼管(SGP)や配管用炭素鋼鋼管が使われました。
塩素消毒された水や水温の影響により、亜鉛層が溶け出して内部の鉄部が露出し、錆こぶを形成するため、赤水が発生していました。
その後に代わって使用された硬質塩ビライニング鋼管についても、配管の継手部は亜鉛めっきを使用していたため、同様の腐食が発生していました。
現在では、こうした鋼管の新規採用は原則禁止されており、塩化ビニル管(VP管)やポリエチレン管(HIVP・PE管)などへの交換が推奨されています。

専有部には、一般的に以下の3種類の配管が通っています。
- 共用部から引き込む 給水管
- 給水管の水を給湯器で加熱する 給湯管
- 生活排水を流す 排水管
今回は、赤水が確認されたため”(1)給水管の交換”を実施しました。
トイレ・浴室・キッチンのいずれも赤水が出る状態でしたが、一定時間の通水で透明になる典型的な老朽症状で、給水管交換後も給湯管内に赤水が残るため、あわせて洗浄処置を行いました。

今回の工事では、共用廊下のパイプスペース内の水道メーター位置から専有部までの給水管を新規配管に切り替えました。
配管は劣化の少ないポリエチレン管を採用しました。
施工業者は、オーナー様よりご紹介いただいた地元の設備業者です。
同マンションでの施工実績が豊富で、現場特性を理解していたため、工程も非常にスムーズに進行しました。
同一マンションでの施工経験を持つ業者への依頼は、後々のメンテナンス対応や品質確保の面でも大きなメリットがあります。
手配時には、インターネット検索よりも管理組合・管理人へのヒアリングが効果的だと感じました。

工事完了後、給湯管内の赤水も除去し、配管リフォーム自体は無事終了しました。
しかし一点、想定外の事象がありました。
新築当時に設けられていた点検口とは異なる経路で新規給水管が施工されており、トイレ上部に点検口の開口部と切り出した板が残存していたのです。
急遽、リノベーション工事に点検口の新設工事を追加することで対応しました。

1.施工実績のある業者を選定する
築年数が経過しているマンションでは、同一棟内で配管更新の実績を持つ業者が存在することがあります。
施工手順や構造を理解しているため、工事品質やアフターフォローの面でも安心です。
工事申請の要否や届出ルールも、管理組合へ事前に確認しておきましょう。
2.給水管の切替経路を事前確認する
既存点検口の流用が可能か、新たに開口が必要かを確認します。
施工途中で変更が発生する場合もあるため、経路変更が判明した時点で関係者間で共有することが重要です。この確認は後工程の内装見積にも影響します。
3.給湯管も併せて点検・洗浄する
給水管のみ交換しても、既存の給湯管内に錆や汚れが残る場合があります。
特に赤水が給湯器や給湯管に回っている場合、入念な通水と排水を行い、透明になるまで確認することが大切です。
当社では、新築から築古リノベーション提案まで幅広く対応させて頂きますので、是非お声掛けください。



