今年も、令和7年10月19日に宅地建物取引士資格試験が実施されました。
今年度の受験申込者数は速報値で30万6,099人(前年比1.01%増)となり、速報値の合格ラインは34点±1点となっております。
平成25~28年度は10万人台でしたが平成29年から20万人を超え年々受験者が増える人気の資格となっており、近年では36点以上が合格ラインとなっていましたが今年は34点±1点と少し下がり、今年の試験は難しかったという話が聞こえてきました。
| 実施年度 | H30 年 | R 元年 | R2 年 | R3 年 | R4 年 | R5 年 | R7 年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格点 | 37 | 35 | 36・38 | 34・34 | 36 | 36 | 37 |
昨年のオーナー様通信にも記載しましたが受験者数も年々増え、Youtubeなど無料で勉強が手軽にできる環境になってきたこともあり、昨年は近年出ていない問題の出題がされ試験の難易度を上げましたが、今年は宅建士として正確な知識を求める為の個数問題が宅建業法の20問中半分の10問と昨年の3問から大幅に増えています。
4つの選択肢の中から1つを選ぶ問題に通常の問題対し、4つの選択肢の中に正解となる問題は何肢あるかという問題はより正確な知識が問われます。
また、仮に1の選択肢が正解肢と判断できる際には残りの問題を読まなくても良いとすることが出来る通常問題は1問当たりの問題を解く時間の短縮ができますが、個数問題は全ての問題を解かなければならない為、試験時間が足りなかったという受験者も多かったのではないでしょうか。
今年の正答率を下げた要因として、過去の傾向から外れた「初出・奇問」の出題も挙げられます。
問21「農地法」の設問をご確認下さい。
(解説)
正解肢は4の“その法人も300万円以下の罰金刑が科される”が誤っています。正しくは“その法人も1億円以下の罰金刑が科される”となります。
(補足)
農地法は宅建試験では得点がしやすいと言われている分野で、過去の出題傾向は農地法の第3、4、5条の許可を受けなければならないかどうかという問題が多く、罰金に関する問題は平成22年の試験に出題されて以降出ていない問題であり罰金額が法人の代表者だけでなく法人に科される罰金額まで把握していなければならなかった為、ノーマークの受験者が多かったのではないかと考えられます。
問21
次に問42の設問をご確認ください。
問42
二つ以上の都道府県において宅地建物取引士資格試験に合格した者は、当該試験を行った都道府県のうち試験日が遅い都道府県知事の登録以外を受けることができない。
宅地建物取引士は、その登録している勤務先の名称に変更があった場合、登録を受けている都道府県知事に、変更の登録の申請とあわせて、宅地建物取引士証の書換え交付を申請しなければならない。
宅地建物取引士は、宅地建物取引士証が効力を失ったときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
宅地建物取引士は、登録を受けている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しているときは、登録の移転の申請をすることができる。
(解説)
こちらの問題はウとエが正しい内容で2つが正解となります。
こちらの問題の正答率が低くなった理由は個数問題であることで選択肢アの知識を持っているかが問われました。
宅建士の登録は試験に合格した場所で登録を行うこととなっていますので、2つの都道府県で合格した場合はどちらの都道府県知事で登録を行ってもよい為、誤りとなります。
この問題は過去問にでたことがなく初めて出題された問題ですが、一般的に試験に合格した場合はそのまま宅建士として登録をすると考えられ、2つの都道府県で試験に合格した場合はどうなるかという事を考えた事もない受験生が多っかたと考えられ、緊張している試験中に冷静に登録の原則を思い出せなかったのではないかと思います。
過去に出題された事がない問題は毎年いくつも出題されますが、選択肢アはかなり捻った問題だったと思います。
令和7年の宅建試験は難しかったといわれる通り合格予想の点数に現れていますが個数問題の増加と問42の様に過去問に出てこない捻った設問も多くあった印象です。
受験者数が増え続け人気の資格である宅地建物取引士試験は合格率の18%前後を維持するためには今後も難化すると予想されます。
以前は過去問を周回すればとれる資格といわれた事もありますが個数問題の増加や捻った問題が増え過去問だけでは合格できない試験になるのではないでしょうか。
法律の正確な知識を問われた宅建試験に合格した営業マンは頼れる存在なのではないでしょうか。


