不動産投資を始める際に建物の構造として、「木造」「鉄骨造」「RC造(鉄筋コンクリート造)」「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)」など様々な選択肢があります。
中でも木造建築は日本古くからの伝統的な建築方式でもあり、現在でも多くの住宅で採用されています。
耐火性などの懸念点もありますが、アパートの投資を始めるとしたとき、他の構造と比べ初期費用が抑えられることもあり木造建築からスタートするのが入りやすいかと思います。
今回は木造建築の不動産投資についての基本を考えていきたいと思います。
木造とは、その名の通り柱や梁などの主要構造部に木材を使用して建築する方式です。日本古くからの建築方式で、今でも戸建てなどの低層住宅では多くが木造で建てられています。
日本は全国的に降水量が多く樹木が育ちやすいので豊富な森林資源があります。湿度が高く地震の多い日本では調湿効果と地震の揺れを吸収しやすい特性がある木造建築は、風土柄相性が良く時代を経て技術が受け継がれてきました。
木造建築は他の構造と比べて建築費が安く初期投資が抑えやすい点が魅力です。
材料が軽量で扱いやすく、施工の自由度も高いため好みのデザインも追及しやすいですし、工期も短く済む傾向があります。
前述した調湿性能はもちろん断熱性能もあり、気密性などしっかりされていれば夏は涼しく冬は暖かい室内環境を保つことができます。何より自然の温もりや肌触りは住む人にとって居心地よく感じることも多いでしょう。
構造もシンプルで変更しやすいため、将来的な再建築やリフォームにも柔軟に対応できます。
欠点としては、腐食や白蟻の被害を受けやすいので、定期的なメンテナンスが必要になる点があげられます。
耐火性もコンクリート造などと比べて劣るため、火災保険も割高になります。
また、木材は振動を伝えやすいため音漏れしやすいのも特徴の一つです。
壁や床を遮音性に配慮した設計にすることや間取りを工夫することである程度対策はできますが、基本的なイメージとして木造アパートは入居者からは生活音や騒音トラブルを懸念され敬遠されることもあります。
耐用年数も税法上では22年と短めであるため、減価償却が早く、築年数が経過すると評価が下がる傾向があります。
不動産投資として考えた時、もちろん物件にもよりますが、他の構造と比べて建築コストも安く初期費用を抑えやすいのと、利回りも高めに設定されることが多いので、投資資金回収の期間もその分短縮でき、アパート投資の初期段階としてはおススメです。
一方で、他の構造と比べて耐久性が劣るので、屋根や外壁の補修・舗装、白蟻対策などの定期的なメンテナンスや住宅保証保険の加入などが必要になります。
委託する管理会社の管理体制によっても売却できる価格に影響が出るのでその見極めも重要です。
現在の市況では、売却出口まで考えるのであれば1都3県あたりの物件を狙うのが良いでしょう。ご自身で見に行ける範囲にあると異変に気付きやすく、何かあった時に対応しやすいのでそのあたりも考慮し選ぶのも大切です。
さらに、建築・設計に関しては住宅性能評価2級以上を取得している物件を購入・もしくは建築できると、物件の評価が上がり長期で融資も伸びやすくなるので、そういった物件を狙うのも良いでしょう。
木造建築への投資は他の構造と比べると比較的に建築コストも安く、施工性も高いのでアパート投資の初期段階としては入りやすいかと思います。
ですが、物件の劣化を防ぎ価値を少しでも保つためにも、定期的なメンテナンスが重要になるのと、賃貸募集に関しては防音についてよく入居者の方に聞かれる事項なのでそのあたりの対策もしてあるとなおよいです。
サステナブルな取り組みも注目されていることもあり木造建築はより普及されていくことが予想されます。長期的な管理計画を立て、木造建築の特徴を捉えて運用していくことが出来れば資産形成の有効な手段になるでしょう。