登記の義務化に向けて 検索用情報の届出

2024年4月に相続登記が義務化されたましたが、それに引き続き2025年4月21日からは不動産登記に関して「検索用情報の届出義務化」という新ルールが追加されました。

これは、2026年4月から施行される「登記名義人の氏名・住所の変更登記の義務化」に向けての準備段階の制度です。

現段階では新たに物件を購入されたりしない限り影響は少ないですが、今のうちにできることもあります。

今後の法改正に備えてどんな手続きが必要になるか、どう変わっていくかを整理してお伝えします。

1:不動産登記法改正の背景 所有権登記の義務化

登記義務化の背景にあるのは、所有者不明土地や空き家などが全国で増え続けていることが上げられます。

これまでは、不動産を取得しても登記をせずに放置されたり、住所が変わっても投資物件の最新情報を更新しないで放置されるケースがあり、その結果、所有者が不明で相続や売買の際にトラブルや手続きが複雑化することが問題視されてきました。

この問題については宅建業法でも空き家に関して特別報酬の制度ができたりなど改革が進められいました。

不動産登記法でも所有権登記の義務化にむけて、登記申請時に従来から提供していた情報(氏名、住所、生年月日)提供の義務化に加えて、メールアドレスの届出も可能となり、将来的には義務化も検討されています。

これにより、今後登記官が職権で変更の際、メールで登記名義人に確認することができるようになり、登記名義人の負担も減る仕組みとなっています。

2:所有権移転登記をしないとどうなるか?

2026年4月以降は個人でも法人でも名称や住所の変更登記の申請を怠ると、5万円以下の過料(行政罰)が科せられる可能性があります。

これまでは登記をしていなくても直接罰則がない場合が多かったため、後回しにする方もいましたが、今後は基本的に「必ずやるもの」として考える必要があります。

変更登記の負担を減らすためにも、メールアドレスを含む検索用情報を提出しておくことで、登記官が定期的に照会をかけてくれて手続きも行ってもらえます。

既存の不動産についても管轄法務局へあらかじめ提出しておけば、スムーズに対応してもらえます。

3:スムーズに進めるためのポイント 登記申請のタイミングと注意点

それでは、実際に物件を新たに購入する場面ではどのタイミングで手続きするのが良いのかと手続きのポイントを整理しておきます。

物件を購入された際、登記に関しては契約後に司法書士先生をおつなぎさせていただいております。

その司法書士先生に住民票と印鑑証明書、メールアドレスを提供いただければ問題なく手続きいただけます。

住民票の住所について、投資物件の場合はそのままで問題ないのですが、ご自宅用や賃貸併用住宅で住まれる場合は、先に新住所にしておくことで登記費用を若干抑えられ、その後に変更の手続きも省略できます。

しかし、住民票の住所更新にあたり先に転居届を出す必要があるので、遠方に引っ越す場合は往復の手間がかかります。また、物件購入後にリフォーム等ですぐに入居しない場合も住所の変更をしてしまうと郵便物の手配などが必要になるので注意が必要です。

4:まとめ

今後は登記をしないという選択肢が基本的になくなります。

売買契約を締結したら、決済と同時に所有権移転登記を完了させるのが原則です。
それに加えて住所が変わった場合も所有されている物件情報の更新が必要になります。

これにより、将来のトラブルを未然に防ぎ、不動産資産を適切に守ることができます。

ご自身が所有されている不動産について、氏名や住所の登録がどうなっているか、一度登記情報をご確認いただくと良いかもしれません。

弊社では、司法書士との連携を含め、スムーズに手続きが進むようにしっかりサポートいたします。