1K・1Rマンションは都心部を中心に最も流通数が多い投資用の間取りです。
弊社でも、売却のご相談をよく承っております。
そういった市場にあふれている物件を、より高く早く売る為には他物件と差別化させる出口戦略が重要です。
今回は1K・1ルーム売却にあたって考えなければならない事を見ていきます。
1K・1Rなどの20㎡前後の物件は売りに出したときにほとんどの場合、自分で住む居住用の住宅としてではなく、賃貸に出して家賃収入を得る投資マンションとして取引されます。
それを前提にまずは物件について下記事項を整理する必要があります。
築年数、管理費、修繕積立金、総戸数、駅距離、外観、賃料、エリア
特に賃貸で入居者がいる場合は賃料がいくらでついているかで利回りが変わり、売却価格が変わってきます。
また、エリアによっても問合せの量が変わるので、早く高く売れるエリアかどうかの見極めも必要です。

物件の基本情報を確認したら、次にどんな人が買うかも想定しておくと打ち出し価格や時期、どんな情報をアピールしていくかが整理されて、売却活動がよりスムーズになります。
1K・1R物件の場合はどんな人が買うのかを考えていくと下記の層が購入するのではと想定されます。
・節税目的の高所得者層
・比較的少額から不動産投資を始めたい方
・融資を受けずに現金で購入できる個人(海外投資家など)
・区分の買取業者
ポイントとして、基本的に投資物件は融資を引くとしても1~2割は自己資金を入れる必要があります。
金利が上がっている中で、小さめの区分マンションの場合、フルに近い融資を受けて買おうとすると家賃収入よりも返済と諸費用で収支がマイナスになるか、プラスが出てもわずかしか手元にお金が残らないことが多いです。
その点も踏まえると、やはり自己資金がそれなりにある層を狙っていくことになるかと思います。
また、より多くの資金がある企業等法人は一棟アパートなどの収益物件に流れていきますので、そのバランスも考える必要があり、区分の買取業者に関しては時期によって買取価格が上がる場合もありますので、時期を見て打ち出していく等も考慮した方が良いでしょう。

物件の基本情報の確認をして打ち出し方が決まり、いざ売却に打ち出していく中で他にも色々とテコ入れできる部分もあります。
例えば、そもそもの賃料がエリアの相場と比べて著しく低かった場合は、更新時や新規募集時に賃料を上げて賃貸を付ける事により、利回りや価格を上げて売却することが可能になります。
他に、適正な価格で打ち出せていたとしても、同じエリアに同じような物件が並んでいれば、問い合わせが分散されるので、それだけ売却が遅くなります。
それに対しては、差別化できる強い要素があるか、もしくは金額の調整や広告料(物件決めてもらったことに対しての報酬)をつけて様々な業者に動いてもらうという方法もあります。
また、無事に物件が売却できたとして、収支がプラスになっているかもしっかり確認する必要があります。
仲介手数料等の諸費用分までは計算しても、その後に来る譲渡所得税も含めたらマイナスになるということもよくありますので、そのあたりまで概算しておくと良いでしょう。
早期の物件売却に関しては、その物件の適正な価値だけでなく、ライバルとなる物件の状況や打ち出しの時期や資料にも影響されていきます。
また、現在の市況では都内の物件に人気が一極集中しており、地方になるほど基本的には問い合わせの数が少なくなるので、残債等の理由から価格目線を下げられないのであれば長期戦になる可能性が高いです。
その他にも、写真や打ち出し方、物件資料の作り込みなどで広告の価値を落とさずに
することも早期売却の助けになります。
比較的少額から始められる区分投資は初めての投資に最適で管理もシンプルなので一定のニーズはありますが、早期の売却に向けては、物件の資料を精査し物件の市場価値を見極めて、上手に売りに出すことが重要です。


