連件登記について

連件登記とは、不動産売買や相続、権利設定などにおいて、関連する2件以上の登記申請を一連の手続きとして法務局へ同時または連続して提出する手法です。

通常の不動産取引では一つの権利変動につき一つの登記申請を行いますが、実務では複数の権利変動が同時発生することが多々あります。
例えば、「売主の抵当権抹消」「買主への所有権移転」「買主の抵当権設定」といった手続きです。
これらを個別に行うと時間がかかり、手続きの間に新たな権利侵害が発生するリスクが生じます。

連件登記を用いて順番を指定し一括提出することで、法務局での処理効率が向上し、手続きを円滑かつ安全に進めることが可能となります。
複雑な権利関係を破綻させず、新しい権利者へと安全に移転させるための重要なテクニックです。

1. 不動産投資市場の最新トレンドと竣工前売却が急増する背景

昨今投資家の皆様が購入されている新築区分マンションに対して、竣工引き渡し前に販売活動を行い、この連件登記の手法を利用することで、
・抵当権設定費用と銀行事務手数料
・管理費修繕積立金 ※転得者様との協議事項
の節約を図りつつ、保有リスクを減らすことを望まれる方が増えています。

加えて、特に大型マンションにおいては、竣工引き渡し直後に転売目的の物件が一時的かつ急激に市場へ供給される傾向があります。
その結果として需要過多の供給過剰状態に陥り、競合が激化することで完成後2年ほどはなかなか売却できなくなるリスクが生じます。
類似物件が大量供給されると価格競争が激化し、竣工後2年ほどは希望価格で売却困難になるリスクがあります。

こうした将来の相場下落リスク、流動性低下のリスクを総合的に比較した結果、多少安くても競合が増える前に完成前売却にチャレンジしたいというご相談が現在急増しています。
連件登記を活用すれば余計な初期費用も節約できるため、リスクヘッジの最適な手段として選ばれているのです。

3. 取引上の注意点

① 一つの申請に不備があると連鎖的に全申請が却下されるリスクがあるため、正確な確認が必要
→特約にリスクの追加
・転得者の決済が何らかしらの事情でできなくてもディベロッパーには支払う必要がある
・ディベロッパーからの引き渡し期日が前後した場合、転得者の決済日も同時に変更する必要がある

② 転得者様からの資金で、ディベロッパーへの支払いを行う資金計画となるため、急なキャンセルとなった場合に、資金の準備ができていないとディベロッパーへの支払いができないことも
 →特約で抑止力設定、また資金準備は並行して行う

③ ディベロッパー側やディベロッパー指定司法書士に連件登記を許可するかどうかの確認
 ・同じマンションでも、購入時期に応じてルールが異なるケースがある
 例:1期2次までは連件登記は承諾するが、3次以降は不可 など

・連件登記可能でも、ディベロッパー側の司法書士では対応できないケースがある
 →別途司法書士をたてなければならないケースがある
・連件登記可能と許可をもらっても、ディベロッパーからの引き渡し日に登記が入らないケース
 =転得者様も支払いと同時に登記が入らないため、銀行利用は実質不可
 =現金購入の買主のみが対応可能
例:ディベロッパーとの決済引き渡し日7/20→登記申請はその2日後の7/22 銀行がお金を貸せるのは7/22以降となるため、実質連件登記手法は利用不可能

というように、個々の案件ごとの細やかな確認とそれに応じた特約の設定が必要となってきます。

まとめ

連件登記を活用した新築マンションの竣工前売却は、不透明な市況下において将来の値下がりリスクや供給過剰による売れ残りリスクを未然に防ぎ、初期費用やランニングコストを大幅に削減できる非常に有効な出口戦略です。

しかし、その裏には一つの手続きのミスや遅延が取引全体の破綻に直結するという、極めてシビアな実務上のハードルが潜んでいます。
買主の住宅ローン利用が実質不可となり現金購入の買主に限定されるケースや、急なキャンセルによる資金ショートの危険性、デベロッパーごとの複雑なルールの壁など、クリアすべき課題は決して少なくありません。

弊社では、こうした難易度の高い連件登記を用いた未竣工物件の売却において、豊富な実務経験と専門的なノウハウを有しております。
新築マンションの竣工前売却や保有リスクの回避についてご検討の際は、ぜひ弊社へご相談ください。