持っている物件を売りたいと考えたとき、専門知識があれば自分で買主を見つけて売却することも可能ですが、リスクも高いのでほとんどの方が不動産業者に売却の相談をすることになると思います。
しかし、懇意にしている業者などがなかったりすると、どこに相談すればよいのか
わからないと悩む方は多いことでしょう。
そんなときに便利なのが「不動産一括査定サイト」です。一括査定サイトを利用すれば、一度の申し込みで複数の不動産会社に査定を依頼できるので最も高く売れる会社やご自身に合う会社を比較検討し選択することができます。
ですが、一括査定サイトは利用にあたり注意点もあります。
本記事では、不動産一括査定サイトの仕組みやメリット・デメリットについてご紹介します。
不動産一括査定とは、簡単な物件情報と住所、連絡先などおおまかな入力で、そのサイトが提携している不動産会社4~6社程度にまとめて査定依頼ができるサービスです。
複数社の査定額や売却プランを簡単に比較でき、気に入った不動産会社へ売却活動を依頼することができます。
一括査定サイトを利用したからといって、必ず返答があった不動産会社と契約しなければならないということもなく、気軽に利用することができます。
売主にとっては、査定額額だけでなく不動産会社の対応も考慮し検討して査定サイトに無い不動産会社も含めて、自由に不動産会社を選ぶことができます。
一括査定サイトは特徴を理解した上で利用できれば売却が初めてでもスムーズに査定を依頼し売却まで進めます。
サイトで必要情報を入力することで複数の不動産業者に依頼することができるので1社ずつ送る手間が省けます。
査定結果が来れば平均価格やおおよその売却価格などの相場感覚もつかめますので、ご自身の売却希望額と市場の額の差がどれくらいあるかが分かり募集価格を決める参考になります。
過去に取引事例が少ない新築転売物件などは特にご自身で相場を判断することが難しいと思いますので、そういった物件の場合は市場感覚をつかんでいる業者の査定額を複数取れるのは便利かと思います。
物件を売却したいとなった時何から始めればよいか分からない場合や早急に概算でも査定額が知りたい場合などは、自宅にいながら無料で依頼できるので、一度試してみるのも良いかもしれません。
使い方によっては便利に感じる一括査定サイトですが、注意点もあります。
買取査定(相場の約70%ぐらいでの買取)でない不動産の一括査定サイトは、不動産仲介業者にとっては「売却媒介を獲得するための査定」でしかありません。
不動産仲介業者は売却を任されてから物件が売れて始めて利益が出て売り上げにつながります。
なので、初めはとにかく売却媒介を取ろうと相場より高めで提示することもあります。
そうなるとなかなか売れず、特に実需(空室)だと管理コストが嵩み負担になってしまう可能性もあります。
査定価格と売却価格がイコールでないこともあるので注意が必要です。
個人情報面でも、匿名で依頼することができないケースがほとんどですし、多くの不動産業者から連絡が来ることになりますので情報が飽和し返って何が正しいのか分からなくなってしまう可能性もあります。
不動産一括査定サイトは、効率的に複数の不動産会社の査定価格を比較でき、希望額での売却を目指せる便利なサービスです。しかしメリットが多い一方で、営業電話の多さや査定額と実際の売却価格の違いがあることには注意が必要です。
複数の不動産会社に査定を依頼したうえで、ご自身でも類似物件を検索し相場価格を調べられるとなおよいです。
とはいえ、不動産は同じマンションでも階数や間取り、採光の向きでも価格が大きく変わることがあり、取引事例が少ない場合などは特に査定が難しいです。
銀行などが出す積算(土地・建物を路線価などから計算する方法)査定額も、リノベーションされた物件や市場価格が上がっている物件ではその点を考慮されないため、実際に売却できる価格とは大きく異なることがあります。
最終的には、「囲い込み」がなく親身に相談できて信頼できる不動産を見つけられることが一番良いかと思います。