一般的に、日本の不動産賃貸市場において6月から8月にかけての夏の時期は、春の引越しシーズンが一段落した後のいわゆる「閑散期」と呼ばれています。
多くのオーナー様が空室対策に頭を悩ませるこの時期ですが、実は視点を変えると、特定の層から非常に強い賃貸需要が発生していることをご存知でしょうか。
それが、「外国人留学生」によるお部屋探しです。
日本の学校教育は4月スタートが一般的であるため、春先に入居希望者が集中します。
しかし、一歩海外に目を向けてみると、学校の卒業時期や新年度のスタート時期といった事情は国によって大きく異なります。
例えば、各国の一般的な卒業時期は以下のようになっています。
・アメリカ:5月下旬~6月初旬にかけて
・ヨーロッパ各国:主に6月頃
・中国・韓国:6月から7月にかけて
・ベトナム:5月下旬から6月にかけて
・インドネシア:6月頃
このように、世界中でおおむね初夏にあたる時期に卒業式が執り行われます。
その後、秋からの日本での進学や新生活に向けて準備を進めるため、まさにこの夏の時期(特に7月から8月)は、数多くの外国人留学生が滞在先となる住まいを熱心に探している最中なのです。
閑散期における空室を埋めるための、絶好のターゲット層と言えるでしょう。
かつての不動産業界全体では、借主が日本人であれ外国籍であれ、「対面での物件紹介から始まり、対面で重要事項説明を行うこと」が契約上の必須条件とされていました。
そのため、外国籍の入居者様を新たにお迎えする際、オーナー様や管理会社の間では、「日本語での細かなコミュニケーションがしっかり取れるだろうか」「契約内容を正確に理解してもらえるだろうか」といった不安視する声が少なからず聞かれました。
しかし、近年におけるIT技術の進歩と法整備により、状況は一変しています。
現在では、「留学生が来日する前(海外の母国に在住している段階)に、オンラインでの内見から入居審査、そして賃貸借契約の締結までをすべて完了させる」という画期的な仕組みが業界内でしっかりと確立されています。
この「来日前契約」の最大のメリットは、オーナー様が「来日直前や来日直後での急なキャンセル」という大きなリスクを負うことなく、安心・安全に契約手続きを前に進めることができる点にあります。
入居者が日本に到着した時点で既に契約が完了しているため、入居者を確保することが可能となっています。
留学生をターゲットにする際、募集図面(マイソク)などにわかりやすく「外国籍可」とストレートに記載して集客をすれば良いのではないかと思われるかもしれません。
しかし、現在の不動産業界において、その手法をとることはできません。
なぜなら、「外国籍可」とわざわざ特記することは、裏を返せば「通常、日本の賃貸物件は外国籍の方の入居を排除している」あるいは「そうした記載がない物件はすべて外国籍不可である」というネガティブな前提を際立たせてしまう結果になるからです。
これは、国籍による不当な入居差別を間接的に助長し、容認していると捉えられかねないデリケートな問題であり、行政機関や不動産業界団体からも不適切な表現として厳しく指導されるケースがほとんどとなっています。
そこで当社では、図面上で『海外審査可能』という実務的な表現を利用することにより、コンプライアンスを遵守しつつ、間接的かつスマートに「外国籍の方も歓迎であること」を広く周知する工夫を行っています。
そのため、留学生を得意とする仲介会社の間で当社の認知も向上し、「まずは当社の空き物件を紹介する」といった関係構築をする事が出来ています。
外国籍の方を受け入れるにあたり、もう一つの懸念材料となるのが「入居審査」の壁です。
しかし現在では、多くの大手家賃保証会社が、外国籍の方向けに特化した専門プランを提供したり、海外にいながらにしてスムーズに審査が完結できる高度なシステムを導入したりしています。
当社におきましても、留学生向けの審査に関するノウハウが非常に豊富であり、かつ万が一の際の保証内容が手厚い信頼できる保証会社と提携することで、スピーディーかつ厳格な審査を実施しております。
当社および提携する保証会社において、海外審査を行う際は主に以下の3点を重視しています。
・国内の緊急連絡先の確保:日本国内に居住し、いざという時に確実に連絡が取れる緊急連絡先(親戚や知人、学校関係者など)が設定されていること。
・本国(実家)の連絡先提供:万が一の無断退去(夜逃げ)などのトラブルに対する抑止力・対策として、母国のご実家など確実な緊急連絡先が提供できること。
・在留資格認定証明書の提出:適法かつ正式な滞在資格を証明する「在留資格認定証明書」が確実に提出可能であること。
契約の最終段階においても、IT化によるメリットは絶大です。
オーナー様にとって、外国籍入居者が来日した後に日本の生活環境を見て心変わりをしてしまうことを考えると、日本到着を待ってからの書面による契約締結はリスクを伴います。
また入居者様にとっても、慣れない異国の地である日本に到着した直後の慌ただしい状況下で、複雑な契約締結手続きを行うのは大変な負担です。
そのため、来日前にオンライン上で完了できる「電子契約(ITによる重要事項説明および電子署名)」は、オーナー様・入居者様双方にとって、タイムロスや心理的負担をなくし、スムーズに入居生活をスタートできるという非常に大きなメリットをもたらします。
当社では、重要事項説明書や賃貸借契約書といった主たる書面だけでなく、それに付帯する「安心サポート契約」「保証委託契約」「少額短期保険」に至るまで、すべての関連手続きを電子署名で一括して完結させております。
「外国籍の留学生の受け入れ」と聞くと、一昔前までは手続きの複雑さや管理のハードルの高さばかりが目立ち、敬遠されがちだったかもしれません。
しかし現在では、各種システムの整備により、タイムロスやリスクを感じることなく、日本人を入居者として募集するのと全く変わらない手軽さと安心感をもって受け入れができる時代へと劇的に進化しています。
夏の閑散期を無事に乗り切り、年間を通して物件の稼働率を安定させるための有効な一手として、留学生への受け入れ幅を広げてみることは、非常に魅力的な選択肢(1案)であると考えております。
具体的な募集条件の緩和についてのご相談や、最新の保証会社のプラン詳細など、少しでもご興味がございましたら、ぜひお気軽に当社までご相談ください。


