2025年、つまり今年。実は日本の不動産市場にとって、ちょっとした転機になるかもしれないと言われています。
それがいわゆる「2025年問題」。
ニュースなどで聞いたことがある人もいるかもしれませんが、「具体的に何が問題なの?」とピンとこない方も多いはず。
今回は、2025年問題が不動産にどんな影響を与えるのかを、わかりやすく解説していきます!
「2025年問題」とは、団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)が2025年に75歳以上の後期高齢者になることで、医療・介護・年金・住宅など、さまざまな社会インフラに大きな負担がかかるとされる問題のことです。
団塊の世代は、戦後のベビーブームで一気に人口が増えた世代。
つまり、高齢者の数が一気に増えるということです。
団塊の世代が後期高齢者になることで、不動産市場にもいろんな影響が出てきます。ポイントは大きく3つです。
1. 相続が急増する
高齢化が進むと、当然ながら「相続」が増えていきます。親や祖父母が亡くなったあと、その持ち家や土地をどうするかが問題になります。相続人が自分たちで住むことがなければ、その不動産を売却するか、賃貸に出すことになります。
これにより、市場に出回る物件が一気に増えることが予想されています。
2. 空き家がどんどん増える
相続した不動産が地方や郊外だった場合、そもそも借り手も買い手もつかないことがあります。
そうすると、そのまま放置されて「空き家」となってしまいます。
実際、総務省のデータによると、2018年の段階で日本の空き家は約849万戸(全住宅の13.6%)もありました。
この数は今後さらに増えると予想されており、社会問題にもなっています。
3. 供給過多で価格が下がる可能性も
相続や空き家の増加により、市場に出回る物件数が増えると「不動産の供給過多」が起こります。
モノがたくさんあると値段が下がるのは経済の基本ですよね。
不動産も同じで、買い手にとっては選択肢が増える一方、売り手にとっては価格競争に巻き込まれるリスクが出てきます。
「空き家が増えるって言っても、関係ないよな」と思ったかもしれません。
でも実は、皆様にも影響が出る可能性があるんです。
・安く家が買えるチャンスが来るかも?
供給過多になって価格が下がれば、「家を買うには高すぎる」と感じていた人たちにもチャンスが回ってくる可能性があります。
特に地方や郊外では、土地付きの一戸建てが格安で売られているケースも増えるかもしれません。
・相続をどうするか早めに考える必要がある
親や祖父母が地方に不動産を持っている場合、その相続について今から話し合っておくのも大切です。
放置すると、固定資産税や管理費など、思わぬ負担がのしかかってくることもあります。
・投資としてのチャンスも
不動産投資に興味がある人にとっては、空き家や相続物件をリノベーションして貸し出すといった、新しいビジネスチャンスにもなり得ます。
特に若い人は柔軟な発想ができるので、アイデア次第で活用できる余地は大きいです。
とはいえ、すべてがバラ色なわけではありません。
相続でもめたり、空き家の管理が大変だったり、誰も買いたがらない物件を抱えてしまうと、逆にお金や手間がかかってしまうこともあります。
「囲い込み(特定の業者が売買情報を他社に渡さない行為)」のような業界の課題もありますし、そもそも地方では買い手がいないという構造的な問題も。
つまり、2025年問題をチャンスに変えるには「正しい知識」と「早めの行動」が重要なんです。
2025年問題は、日本社会全体にとっては大きな課題ですが、見方を変えれば、「チャンス」にもなり得ます。
家を買いたい人、不動産投資に興味がある人、将来の相続が気になる人——それぞれにとって、知っておいて損はない話です。
不動産は一度動くと金額も責任も大きいもの。
でも、今から知識を身につけておけば、いざという時に冷静に判断できますよ。
今後数年、日本の不動産市場は大きく変化するかもしれません。
その波にのまれるのではなく、乗りこなす側になれるよう、少しずつ準備しておくことがカギになるでしょう!