以前、賃貸併用住宅について色々とご紹介させていただきましたが、
今回は賃貸併用住宅のデメリットについてもお話しさせていただければと思います。
賃貸併用住宅のメリットについての詳細は
【賃貸併用住宅はどんな物件なのか?その①】をご覧ください
賃貸併用住宅のデメリット
は下記のようなことが言われています
①収益性が低い
②出口が見えない(流動性が低い)
③運営に独特のリスクがある
④家賃収入がある文生活の快適さが失われている
それぞれについて詳しく解説するとともに、反論の意見もご紹介します。
① 収益性が低い

家賃収入構造と低収益の要因
賃貸併用住宅では、建物の一部だけが賃貸として運用され、オーナーが居住する部分からは家賃収入が得られません。
そのため、同じ建築コストをかけても、全体から得られる収入は純粋な投資用物件に比べて少なくなります。
実際、オーナー居住スペースがある分、賃貸部分の面積が減り、全室賃貸にできる物件よりも家賃収入は低くなり、結果として投下資金に対する利回り(収益率)が下がります。
反論の視点
確かに投資用物件として見ると収益性は低いですが、賃貸併用住宅のメリットとして、居住部分があり、住宅ローンを低金利で利用できる点が挙げられます。
全体のうち半分を賃貸に出すモデルは、ローン負担の軽減や税制優遇の効果があり、合理的な面もあることを忘れてはいけないかと思います
② 出口が見えない(流動性が低い)

賃貸併用住宅は、一般的な更地や一戸建て、アパートなどと比べて、買い手が付きにくい物件とされています。
実際、売却に出しても何カ月も問い合わせが1件もないという事例も、お問合せいただくお客様から聞いたことがあります。
反論の視点
ただし、弊社リオトラストの場合は【賃貸併用住宅.com】など独自のコミュニティがあり、賃貸併用住宅に興味を持つ購入希望者が多く集まっています。
例えば、現在は購入希望者の方が圧倒的に多く売却してもらえる物件を探しているような状況です。
③ 運営に独特のリスクがある
賃貸併用住宅では、オーナー(貸主)と入居者(借主)が同じ建物や敷地内で生活するため、通常の賃貸経営にはない人間関係上のリスクがあります。
たとえば、入居者の出す物音がオーナー家族に筒抜けになったり、逆にオーナーの生活音(子どもの足音やテレビの音など)が入居者にストレスを与えたりするケースが考えられます。

反論の視点
管理会社をうまく利用すれば、クレーム対応は管理会社が行ってくれるため、大きなデメリットとはならない面もあります。
ただし、物件の設計上、オーナーと入居者が近接しているという構造的なリスクは残るため、「完全に無視できる」リスクではない点に注意が必要です。
④家賃収入がある文生活の快適さが失われている
賃貸併用住宅では、オーナーのマイホーム部分と賃貸部分が同じ建物内にあるため、純粋な持ち家と比べて居住空間の広さや配置に制約が生じる場合があります。
住宅ローンの適用条件から自宅部分を建物全体の50%以上にするケースが多いとはいえ、全体の一部は賃貸用に回されるため、同じ予算で建てた注文住宅と比べると自宅に使える延床面積は減少します。

反論の視点
ただし、マンションに住んでいれば隣人が近くに住んでいるのは当然であり、一軒家でもご近所トラブルは発生するため、賃貸併用住宅だからといって一概に生活の快適さが著しく失われるわけではありません。
まとめ

このように、賃貸併用住宅の「デメリット」はすべてのケースで絶対的な欠点というわけではなく、むしろ賃貸併用住宅特有のトレードオフとも言えます。
ある面ではメリットとして働く要素も含んでいるため、評価は視点や状況、さらには投資目的なのか居住目的なのか、またその時点の市場環境やライフプランによって変わってきます。
最終的には、ご自身の優先順位に合わせて、メリットとデメリットのバランスを見極めることが重要です。